1.面接官の方が「見飽きた願書」にならないこと。
  志望校と家庭の教育方針との一致ということに、ことさらこだわる必要はありません。


2.その願書を見て、面接官の方が関心をもち質問したくなるようなことがらを、
  できるだけ多くもりこむようにしましょう。


3.実際に保護者面談を受けるご両親に納得していただけること。
  自信を持って面接に臨んでいただきたいからです。


4.願書に嘘は書かないこと。面接官にはすぐわかってしまいます。
  しかし、時間をかけて受験のときまでにそうなると確信できるなら書きましょう。
  願書に書いたことを目標にするのです。



 「願書工房」の方針
●志望理由 ●家庭での教育方針 ●お子様の性格の3項目にわたり、これまで添削させていただいた願書の一部を参考に、
編集しなおして転載いたしました。例は少ないですが、「願書工房」の添削方針の一端がお分かりいただけるかと思います。




*1
「利他の心」という言葉は仏教用語としての色彩が強く、
学校からの配布資料や説明会での話に無い限り、
避けたほうがよいでしょう。

*2
「人間形成に」以降の文章は要素を詰め込みすぎです。
ポイントが絞り込まれていないので、面接官には逆に、
印象が残らないものになっています。

*3
「私共の教育方針と一致するものであり」という言い回しは
よく願書にある書き方です。そのままでもいいですが、
*4
のように、何が「一致」したのか具体的に書かれると
志望動機がより明確になります。








*1
今のままでも問題ありませんが、
*3
のように、「大きな価値を見出してくれる」というように、
前向きな動機を述べられてはどうでしょうか。


*2
「親としての心得を改めて気づかせていただきました。」
だけでは弱いかもしれません。
*4
のように、もう一歩踏み込んで書かれるといいでしょう。
















内容はとてもよくが整理されていてますが、
面接官の方が質問する項目を見つけにくい、
特長のない願書になっています。

内容はそのままに構成しなおしました。



*1

たとえばこのような文章を入れることで、
ご家庭での方針が見えてきますし、
「それは何ですか」というように、
面接官の注意をひくことができます。






*1
「人間形成の基礎を作る上で」以降は、
願書の常套句でよく使いますが、もう少し具体性を
持たしたほうが親の気持ちが伝わると思います・
*2
*5
を参考にしてください。

*3
「自然ゆたかな環境で」以降は内容にダブりがあります。
整理して構成しなおしました。


「社会に貢献できる人間」になるために
ご両親が努力されている姿勢を入れましょう。
具体的なことがなくても、
*4
くらいは書いてもいいでしょう。











*1
「好奇心の塊のような」という表現は、
「何事にも好奇心を持ち」などと変えてしまいがちですが、
この表現のままの方がお子様に対する親の温かい
眼差しが面接官の方に伝わると思い、そのままにしました。


*2
「祖母の家」での体験を「楽しい」とまとめるのではなく、
*3
のように親としてどうとらえているかについて書きましょう。
「お子様の性格」が質問ですが、
ご両親の姿勢が見えてきたほうが家族の一体感が伝わり
説得力の増す願書になります。








志望理由の添削例
 

A.
娘には、
*1利他の心を持ち、常に感謝の気持ちを忘れず、将来、人や社会のために貢献できる女性になって欲しいと願い育てて参りました。学校説明会でお話を伺い、*2人間形成に重きを置き、一人一人の個性を大切にする博愛を重んじる御校のキリスト教精神に基づいた教育理念は*3私共の教育方針と一致するものであり〜(後略)



添削例
娘には、思いやりの心を持ち、常に感謝の気持ちを忘れず、将来、人や社会のために貢献できる女性になって欲しいと願い育てて参りました。学校説明会でお話を伺い、御校ならではの博愛の精神に満ちた一人一人の個性を大切にする教育理念は、
*4娘に芽生えはじめた人の役に立ちたいという気持ちを後押ししてくれるものと確信し〜(後略)
                           
                




B.
私共は娘を、自らを尊重し、他人を思いやる、心豊かな女性に育つことを希望しており、それは一人ひとりの個性を尊重した上での人間形成に重きを置く御校の
*1教育方針と一致すると確信しております。また、御校には説明会でのお話や、いただいた「□□□□」を通じて、*2親としての心得を改めて気づかせていただきました。子どもの大切な6年間を、自然に恵まれた御校で送らせてやりたいと願い志望いたしました。


添削例
他人を思いやり、人のためになることに喜びを見つけ行動する娘の姿を見ていますと、御校のキリストの教えを人間形成の基盤とした教育方針は、娘の将来に
*3大きな価値を見いだしてくれるものと確信しております。また御校には、説明会でのお話やいただいた「□□□□」を通じて、親としての心得を改めて気づかせていただきました。*4娘のみならず、親としてもともに成長できることを願い、御校を志望いたしました。






家庭での教育方針の添削例


C.
私共の家庭では娘の自主性を重んじ、自らが決めた目標に対し責任を持って粘り強く取り組むことの大切さを、ことあるごとに教えてきました。その上で、思いやりの心を持ち、感謝の気持ちを忘れずに、人や社会のために貢献できる女性になって欲しいと願っております。〜(後略)



添削例
娘には、決められたことをこなすだけでなく、自分自身の考えに責任を持って行動できる子供に育ってほしいと考えております。そのために、目標に対し粘り強く取り組むことを教え、行動の源となる好奇心が育まれるよう、*1自然との触れ合いや新しいことへの挑戦の場を積極的につくっています。〜(後略)





私どもは、*1人間形成の基礎を作る上で、幼年期はとても大切な時期であると考えております。息子には、*3自然ゆたかな環境で伸々と感受性豊かで子どもらしく、そして、大切なことを自ら感じ取りいつも前も向いて欲しいという思いを込めて育ててまいりました。将来は、人の気持ちを受け容れられる人間に、またどんな困難にぶつかっても、くじけることなく自ら前へ進んで行ける人間になり、社会に貢献してほしいと願っております。〜(後略)


添削例
*2幼少期は、性格の面、学力の面ともにこれからの人生の土台を築く大切な時期であると思っております。息子には、伸び伸びと感受性を育みながら、思いやりの心を持ち、感謝の気持ちを忘れずに、人や社会のために貢献できる人間になって欲しいと*4さまざまな体験を通して育ててまいりました。将来は、どんな困難にぶつかっても挫けることなく、自ら前へ進んで行ける人間になってほしいと願っております。〜(後略)

*5
私共は、人間形成の基礎を作る上でいかに初等教育を受ける環境が大切であるかについて、ことあるごとに夫婦で話し合ってきました。





お子様の性格の添削例


E.
*1好奇心の塊のような息子は外遊びが大好きで、時間が許せばいつまでも外で遊んでいます。〜(中略)〜また、週に一度は大好きな祖母の家へ泊りにいき、□□□□をしたり、□□□□をしたり、家ではできない体験をさせてもらい、*2楽しんでいます。〜(後略)


添削例
好奇心のかたまりのような息子は外遊びが大好きで、時間が許せばいつまでも外で遊んでいます。〜(中略)〜また、週に一度は一人で大好きな祖母の家へ泊りにいき、□□□□をしたり、□□□□をしたり、家ではできない体験をさせてもらっております。*3こうした経験が子供の自立心を養うものと考え、家族で応援しています。〜(後略)